2010年11月23日(祝)13:00~17:30
立教大学池袋キャンパス9号館大教室 

主催:ナキウサギの鳴く里づくりプロジェクト協議会
共催:野生生物保護学会行政研究部会,立教大学
後援:日本自然保護協会,WWF‐Japan,日本野鳥の会,日本鳥学会

  1. はじめに
    小島望 (ナキウサギの鳴く里づくりプロジェクト協議会)
  2. 「餌づけ問題」とは
    小島望 (川口短期大学)
  3. キタキツネの餌づけ問題:観光ギツネとエキノコックス症感染リスク
    塚田英晴 (農業・食品産業技術総合研究機構)
  4. 餌づけに起因するサルの生態・行動・習性の変化
    白井啓 (野生保護管理事務所)
  5. イノシシにおける非意図的な餌づけと被害問題
    仲谷淳 (中央農業総合センター)
  6. 鳥類への餌づけ問題
    長谷川理 (エコ・ネットワーク)
  7. 餌づけに対する法的な評価と対応策
    高橋満彦 (富山大学人間発達科学部)
  8. 野生生物行政における「餌づけ」:環境省として取り組み
    奥山正樹 (環境省自然環境局自然環境計画課)
  9. パネルディスカッション
    司会:竹下信雄 (生物多様性JAPAN)
    パネリスト:小島望・塚田英晴・白井啓・仲谷淳・長谷川理・高橋満彦・奥山正樹

シンポジュウム開催趣旨

ナキウサギの鳴く里づくりプロジェクト協議会

野生動物への餌づけ行為は個人の趣味やモラルに帰される問題とされて、これまで長く放置されてきました。しかし近年、餌づけ行為が人間の生活圏へ野生動物を接近させ、様々な問題を引き起こしていることが指摘されはじめました。野生動物への餌づけ行為を禁止する条例の制定や餌づけの自粛や中止を関係機関に求めるなど、対処にのり出す自治体も増えてきています。ただし、それらの対処は、特定の動物による農作物被害や人間の健康被害に対する対症療法的なもので、餌づけ行為そのものの是非や影響についての検証を十分に行なったうえでなされているものではありません。
そこで、本シンポジュウムでは、餌づけという身近な題材を通して、おもに生態学的影響と社会学的影響の両面から、人と自然との関わりがどうあるべきかを議論していきます。その議論は、①生態系被害や人間社会への影響についての具体例、②問題点の分析・整理、③解決方法の模索と実践例、④法的規制の効果とその展望、の4点を主軸に構成されています。
特に餌づけ行為のなかでも「獣害」に注目しているのは本シンポジュウムの特徴といえるでしょう。観光客や事業者による餌づけ、一般市民による趣味的餌づけを「意図的」餌づけとするならば、獣害を引き起こす要因となる農作物の野積みや廃棄物の放置は、知らず知らずのうちに餌を与えているのと同義であるという意味で「非意図的」餌づけと定義することができます。野生動物と人との軋轢の代表ともいえる獣害は、今や多くの自治体が頭を悩ます問題であり、一刻も早い解決策が求められています。本シンポジュウムの非意図的餌づけという視点からのアプローチは、獣害対策にとって新たな知見となるに違いありません。他方、餌づけの具体的事例を紹介し、各事例の法的解釈や具体策についても言及しています。
以上、野生動物への餌づけ行為による影響について検証することは、人と自然との共生を考えるうえで重要な示唆となるはずです。

このシンポジウムは平成22年度独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて開催されました。

本ページは以下の報告集をホームページ上に掲載したものです。

2010.11.23 シンポジュウム「野生動物への餌づけを考える」報告集
2011年3月31日 発行

編集: ナキウサギの鳴く里づくりプロジェクト協議会 編集委員会
(小島望,長谷川理,上堀義文,澤田健)
表紙・裏表紙デザイン: 池城由紀乃
発行: 〒079-1582 北海道富良野市山部東21線12番地
富良野市生涯学習センター内(TEL.: 0167-42-2407)
ナキウサギの鳴く里づくりプロジェクト協議会
http://www.nakiusagi.org/
印 刷: 〒076-0024 北海道富良野市幸町2番15号
協和印刷商事株式会社

報告集のpdfファイルが以下のアドレスよりダウンロードできます。

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